トピックス2005年9月6日

 天木直人氏(神奈川11区)の挑戦を支持しよう!

 総選挙戦も終盤にさしかかっている。
 それにしても選挙戦の構図は奇妙かつ情けない現状にある。
 今回の選挙で小泉首相は、郵政民営化の執念をあらわに、官から民へ、中央から地方へ、という「ワンフレーズ政治」を繰り返している。小泉自民党は、郵政民営化法案の反対議員に有無も言わさず『上意討ち』「刺客」を差し向けるばかりではない。たとえば民主党の最強選挙区といわれる菅直人が立つ東京18区に同じ選挙区内の武蔵野市の土屋正忠市長をたてるなど、嵩にかかった攻勢を強めている。

 本来、「刺客」は野党が自民党の中枢候補に送り込むべきものではなかったか。今回は小泉首相の神奈川11区に斉藤参議院議員を対抗馬として立てているが、迫力不足は否めない。小泉や武部や安部など小泉内閣の中枢の選挙区に強力な「刺客」を送り込んで彼らを引きづりおろす気迫がなければ、政権交代などなど夢物語だ。ところが民主党などは、選挙戦終盤の今に至るまで国家=官の失敗――市場原理=利潤至上主義への再編を「改革」だと言いくるめる「小泉マジック」を突き崩せないままだ。同じ市場万能路線という根っこが同じだからだ。

 そこにいくと神奈川11区から立候補した天木直人候補の勇気は高く評価されるべきだろう。
 神奈川11区といえば、かつての中選挙区制時代、同じ自民党の田川と住み分けていた選挙区が小選挙区に分割され、自分の票田がそっくり選挙区になったことで小泉の選挙地盤は盤石だといわれる選挙区だ。だから前回の総選挙でも小泉は対抗馬に圧倒的な票差をつけて当選している。

 周知のように、天木氏はイラク戦争に反対してレバノン大使を解任された経緯を持つ。代議士という地位を手にするために主義・主張は二の次、三の次という候補ばかり目立つ今回の総選挙、エリート外交官という地位を投げ打ってイラク戦争に反対した気概は、立場を超えて評価すべきだろう。

 もとより天木氏と私たちの政治的立場はイラク戦争反対という一点をのぞけば根本的に違う。それに曖昧な主張や私たちとは違う主張もみられる。
 しかし米国一辺倒の小泉首相政治への批判、そうした立場からイラク戦争に真っ向から批判してきたこと、当選する見込みもほとんどない神奈川11区から立候補することで小泉政治に真っ向から挑戦する決意と行動に対しては、政治的立場を超えて評価できるものがある。

 ここは敵の中枢に打撃を与えるという、小泉自民党を追い詰める象徴的な闘いとして、天木氏の挑戦を支持したい。(廣)  案内へ戻る