トピックス 2012/12/18
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衆議院選挙結果ーー「左派」の協同・連係こそ急務
●自民党「大勝利」
自民党は単独過半数の議席をゆうに超える、歴史的な大勝利をおさめた。議席数では阿倍は「小泉越え」をした。しかし、歴史は単純に逆流したのだろうか。そうではない。議席で単独過半数を獲得しても、自民党は前回衆議院選挙(〇九年)での大敗北より比例区得票数は二百万票も減らしているのだから。「大勝利」は小選挙区制度のおかげ以外の何物でもない。その点では、自民党の歴史的衰退傾向に歯止めがかかったとは言えないのである。
つまり、民主党が「官主導から政治主導へ」「コンクリートから人へ」という基本公約を投げ捨て、原発事故問題でも混迷し党内分裂が絶えず、これら「敵失」のおかげで得た自民大勝利にすぎないからである。
●世論の右傾化・政治反動と闘おう
しかし、その事とは別に議席数で圧倒的な自公連立政権のもとで、原発再稼働、大インフレ政策、消費税増税、福祉予算削減、憲法改悪等々反動の嵐が吹き荒れることは予想しておかなければならない。
他方では、国民世論の「右傾化」も無視できない問題だ。その一つが維新の会の躍進だ。保守合同(五五年)以来、安倍自民党は歴代首班の中で最も右寄りと見られるが、そのさらに右側に石原維新の会が五十余議席を獲得した。自民党と維新の会の得票率とを加えれば実に四十八%となる。
政治情勢はすでに流動化している。自民党政権自身が上で見たように見かけほど安定せず、衰退傾向に歯止めはかからず、政権党としてはますます脆弱である。だからこそ石原維新の会の存在は危険でもある。
●反大資本派=「左派」の連係の欠如
自民党と公明党は、たくみな選挙協力をおこなっている。(公明党は維新の会とも協力関係にある。)その結果は大量議席獲得としてあらわれている。
ところが「左派」には自民党を落とすための協力もない。党名はあげずとも「脱原発」「反TPP」「日米安保条約破棄」等々ではほとんど同じようなスローガンを掲げているのに。大資本派、右翼反動派を落選させるための協同の努力がほとんどなされなかった。これは猛反省すべき点ではないだろうか。
労働者派、社会主義派、マルク主義派、そして大独占勢力が推進する新自由主義に反対する市民たちとの幅広い連帯が今こそ求められているのではないか。(阿倍文明)
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