衆院選最中の12月8日、時折嵐が吹き荒れ、JRも一時停止する悪条件を突いて、「もんじゅを廃炉へ!」全国集会が開催されました。午前11時からのもんじゅを望む白木海岸現地での抗議行動と、午後の敦賀市内での屋内全国集会に800名の参加者が結集しました。(晴)
日本原子力研究開発機構宛て抗議要請文 2012年12月8日
「もんじゅ」の試験運転再開はあり得ない「もんじゅ」の廃炉を強く求めます
福島原発事故により、原子力安全委員会が設けた、旧来の安全基準そのものが完全に妥当性を失いました。脱原発の方向性が政策としてはっきり示されたいま、核燃料サイクルの中止は必至です。高速増殖炉開発の意義はなく、貴機構は速やかに高速増殖炉開発から撤退すべきです。
しかし、貴機構は、報道によれば「もんじゅ」の試運転を2013年末にも再開して10年間程度運転するとの計画を国に示しています。このために来年夏頃までに設備点検を済ませる計画です。原子力規制委員会は、来年7月までに安全基準を設けて、それに基づいて再審査することとしています。貴機構にしても、この再審査を経なければ何も始まらないのは言うまでもありません。いうまでもなく、シビアアクシデント対策や防災計画の整備など、課題が山積みの状態です。にもかかわらず、福島原発事故の経験を何ら反省することなく、これまで通りの運転再開ありきの姿勢は、本末転倒と言わざるを得ません。
「もんじゅ」の耐震安全性は3・11を体験したいま、根底的に見直されなければなりません。その直下、しかも直近に白木‐丹生断層が潜り込んでおり、さらにその下にC断層が潜り込むという全国でも例がない、極めて危険な地盤上に立地しています。そもそも高速増殖炉をこのような地に建てたことが間違いです。
さらに、今、大飯原発で問題になっているような破砕帯の真上に「もんじゅ」は建っています。しかも破砕帯は複数あります。これまで貴機構はこれら破砕帯が「正断層由来」を理由に「動かない」と説明してきましたが、東北地方を襲った3・11の地震によって、その根拠を失っています。これらが活断層である可能性もあります。また、活断層と連動してこれらの破砕帯が動き、地盤が変形すれば、それだけでも大事故につながります。貴機構は破砕帯調査を年度末には終える計画ですが、ボーリング調査主体では信頼性に欠けるのは明らかです。また、機構が行う調査では信用されません。試運転再開スケジュールにあわせて急ぎ調べるとしか思えません。スケジュールを白紙に戻し、まず信頼に足る破砕帯調査を行い、その全容を明らかにすべきです。
ナトリウム火災事故以降、すでに17年間停止し、警報やトラブルから設備・機器類の劣化が進んでいることは明らかです。炉内中継装置の落下事故にも象徴されるように、メーカー丸投げで設計・製造された機器類が多数あり、いったいどこに設計ミスが潜んでいるか、貴機構にはこれを発見する能力がありません。動かしてみて始めて不具合や設計ミスが分かる顛末を繰り返してきた経緯を見ると、運転再開など言語道断です。
大事故の恐れを考えると、近畿、中部、中国地方などの広範な周辺地域の住民の不安は計り知れません。
「もんじゅ」を続ける意義も道理も何一つありません。
止まっていても1日5500万円も浪費する「もんじゅ」は、無駄の象徴です。これ以上税金の無駄遣いは止めて下さい。
私たちは1日も早い「もんじゅ」の廃炉を求めます。
2012もんじゅを廃炉へ全国集会 参加者一同
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