トピックス2014年5月18         トピックス案内へ戻る

  安倍政権の新たな暴挙を許すな!!
    再び国民を海外戦地に追いやる「安保法制懇報告」


 安倍首相の仲間でつくられたこの「懇談会」は、安倍首相の意向のママにとんでもない政策を提言した。安倍首相は喜んで「検討する」と宣言した。
 問題は、大きく二つある。第一に自衛隊を海外侵略をも可能とする軍隊にする。もう一つは一内閣総理が、気に入らなければ憲法条文ですら反故にしようとしていることだ。

●自衛隊の世界展開へ
 「集団的自衛権」の行使は、海外派兵・戦争を可能とする。ここが重要だ。
 安倍首相の記者会見での説明でもわかるが、米国とともに朝鮮半島近辺だけでなく中央アジア、中東やアフリカなどの軍事侵攻、戦闘を前提としている。「同盟国を守る」という口実で、自衛隊を世界展開させるつもりなのだ。

●非現実的な安倍首相の説明
 そもそも自衛隊はすでに世界有数の軍事力を持つ軍隊であることは周知の事であろう。北朝鮮や中国が、日本や米国を攻撃する想定など、自民党流の安保論からしても非現実的だ。
 逆ではないか。米軍の世界展開が、国際平和や安定に逆行したように、自衛隊の世界侵攻は、国際緊張をさらに高めるだけだろう。米軍と同様に自衛隊も「侵略軍」としてさまざまな勢力の標的になるだけだ。安倍首相の大義名分「国民保護」の視点からすればきわめて危険なはずだ。

●軍事力は何も解決しなかった
 これまでの米国や英仏の軍事介入が、戦争や内戦の泥沼化を促してきたことは最近のイラクやマリ、アフガンの現実でもまったく明らかだ。
 一部の軍需企業勢力や右翼政治家の野心のために、これまで世界中で無駄な血がどれだけ流されたのか!

●憲法条文の完全空洞化
 憲法九条はすでに、自衛隊という強大な軍事力の前で空洞化していた。ただ「戦力放棄」「交戦権を認めない」の建前から海外派兵に道を開く「集団的自衛権」の行使だけは、歴代自民党政権も否定してきた。ところが一内閣が従来の「政府見解」をひっくり返し海外派兵、海外武力侵攻まで踏み込んだことは。あらためて「憲法の軽重」「法治主義」が問われている。
 一政治家の見解で法律が覆るのであれば、民主主義や議会は何の価値があるのだろうか? 前近代的な王権や独裁国家と同じとなる。安倍首相は、自ら今までの憲法をめぐる論戦を無価値なものにすることで、「国会論戦」ひいては国会の役割を大いに傷つけようというのだ。
 それならば、安倍首相の今回の暴挙をみんなの声と力で阻止しなければならない。

●別の道はある。
 パクスアメリカーナ、つまり超大国=米国のパワーの下での「平和」の時代が終わりつつある。そして「力による平和」を求めることが非現実的になりつつある。
 別の道もある。EU(ヨーロッパ連合)がよい例だ。
 アルザスロレーヌ地域の資源をめぐる独仏国境紛争の解決策である「ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体」が第二次大戦見後設立された。これがEEC(ヨーロッパ経済共同体)と統合しEC(欧州共同体)そしてEUとなったのだ。
 このように資源や土地は共同管理できるし、そのほうが血を流して相争うより国民にとってはるかに有益だ。「国境」「領土」「資源」というモノは固有でも不可侵でもない。
 ASEAN(東南アジア諸国連合)も地域経済と平和の連帯から発展し「共同体」を目指すまでに成長している。この地域の平和に大いに貢献している。
 日本を含む東アジアの平和や安定も、経済協力や政治的融和関係から発展できるのである。ところが財界一辺倒の安倍政治は、近隣諸国を威嚇し領土防衛を叫び、戦前日本の侵略主義を擁護する。
 みずからアジアでの緊張を高めておいて「集団的自衛権」「軍事力の必要性」を唱うのはまさに愚行というほかない。(ぶん)

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(自衛隊の戦闘訓練)